【レビュー】神ゲー?ジブリ風傑作JRPG!「ニノ国2」の評価!

ゲームレビュー
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ジブリ風RPGゲームのシリーズ第2段「ニノ国2 REVENANT KINGDOM」。ジブリ映画のような世界感、グラフィック、キャラデザが楽しめる良質&王道なJRPGゲームです。最近ではスマホゲームも新たに登場し、何かと話題に事欠かないタイトルでもあります。

開発は妖怪ウォッチやイナズマイレブンでおなじみのレベルファイブ(LEVEL5)。大人から子供まで楽しめるような、カジュアルながらもやりごたえのあるゲームとなっております。

という事で本記事では、そんなニノ国2をクリアした筆者が評価、感想、どのような方におすすめなのかなど、徹底的にレビューしていきます!

タイトルニノ国Ⅱ REVENANT KINGDOM
対応機種PS4/PC(Steam)/Switch(2021年9月予定)
発売日2018年3月23日
開発元レベルファイブ

ニノ国シリーズって?

ニノ国シリーズの記念すべき第1作は2010年にDS向けソフトとして発売された「二ノ国 漆黒の魔導士」です。こちらは日本国内限定で販売されたタイトルです。

その翌年2011年に、同作のフルリメイク版としてPS3向けソフト「二ノ国 白き聖灰の女王」が発売されました。海外版としてはこちらが1作目という事になります。

つまり本作「ニノ国2」は、これら2作品(リメイクを含むため厳密には1作品)の続編という扱いになります。

他にも2019年にはアニメ映画が公開されたり、最近ではスマホMMO版二ノ国「二ノ国 Cross Worlds」がリリースされたりもしました。運営が韓国の会社で、若干特殊な規約内容からマイナンバーが抜き取られるとか取られないとか、あることないことごちゃまぜで話題になっていました。ちなみに映画の方も各所のレビューを見る限り、あまり評判は良くないようです。

本編のゲームシリーズが面白いだけにちょっと残念

ニノ国シリーズの大きな特徴として

  • ジブリ(風)のアニメーションとグラフィック
  • 久石譲による圧巻の音楽
  • 豪華な声優陣

などが挙げられます。

本作のニノ国2では志田未来さん、西島秀俊さん、吉田鋼太郎さん、木村文乃さん、釘宮理恵さんなど、そうそうたる面々がメインキャストを務めています。

ちなみに、あえて「ジブリ”風”」と表現される理由について疑問に思った方も多いと思います。1作目のDS版・PS3版ではスタジオジブリによる手描きのアニメーションムービーが収録されていたため、正真正銘ジブリとのコラボゲームだったのですが、本作ニノ国2ではそれらの手描きアニメーションが一切含まれておらず、全編フル3DCGとなっています。

キャラデザは元ジブリの百瀬義行氏、音楽は久石譲氏という布陣は変わっていないため、依然としてジブリ感は満載なのですが、厳密に言うと本作は「スタジオジブリとは直接的な関係がない作品」という事になるわけです。そういった事情もあり、ジブリ”風”という表現に落ち着くわけですね。

大人の事情ってやつ?

前作未プレイでも大丈夫?

シリーズ物の続編という事もあり、前作からプレイした方がいいのか?と不安に思う方もいらっしゃると思います。結論から申し上げますと前作未プレイでも全然問題ありません。実際に筆者もニノ国シリーズに触れたのは本作が初めてでした。事前情報や予備知識なども特にない状態でふわっとゲームを開始しましたが、特に問題なく楽しめました。

この辺りはさすがレベル5といった感じです。全体的に親切設計になっているため、説明がないまま固有名詞が連呼されたりすることはありませんので、前作未プレイの方・小中学生のお子様でも安心です。

ニノ国2の個人的なスコアを発表!!

  • ストーリー/世界観:9点
  • グラフィック:8.5点
  • 操作性:8点
  • 戦闘/探索:6点
  • やりこみ度:7.5点
    • 合計:39/50点
良かった点
  • 美麗なジブリ風グラフィック
  • 王道なストーリーと親しみやすい世界観
  • 久石譲氏作曲のBGMが圧巻
  • ボリュームの割にバグがほぼ無い(多分)
イマイチな点
  • 極端すぎる難易度設定
  • アクションの質
  • 要所要所でグラフィックがデフォルメされる
  • 行ったり来たりのお使いクエストが多い

ストーリーやゲーム性含め、良くも悪くも王道といった印象でした。個性的で尖ったゲームをお探しの方にはイマイチかもしれませんが、王道のJRPGを最新のゲームクオリティで楽しみたい方にはピッタリだと思います。

また、王道のフォーマットの中にあらゆる要素を詰め込みまくった「全部乗せ」みたいなゲームであるとも感じました。よく言えばやりこみ度が高く色々な要素を楽しむことができますが、悪く言えばひとつひとつの要素の詰めが甘いような印象も。

その辺りを含めここからは各項目ごとに詳しく解説していきたいと思います!

圧巻の世界観と王道のストーリー

主人公のエバン(引用:キャラクター | 二ノ国II レヴァナントキングダム (ninokuni.jp))

本作のタイトルでもある二ノ国とは、簡単に説明すると「もうひとつの世界」という意味。私たちにとっての現実世界は「一の国」で、このゲームの舞台となるもうひとつの世界は「二の国」と呼ばれている、という世界観です。

主人公は志田未来さん演じるエバン、西島秀俊さん演じるロウランの2人です。エバンは二ノ国の王子、ロウランは一ノ国の大統領です。住む世界も種族も異なる2人ですが、「民衆のリーダーたるべく努力をしている」という共通点を持っています。この2人の友情と、エバンの成長がストーリーのメインテーマとなっています。

もう一人の主人公ロウラン(引用:キャラクター | 二ノ国II レヴァナントキングダム (ninokuni.jp))

冒険の途中で個性豊かな仲間と出会いながら、自分たちの王国を興すというかなり王道な味つけが本作の特徴です。

王道であるということは、裏を返せばありきたりでありふれたストーリーであるとも言えます。しかしながら、ひとつひとつのエピソードの完成度が高く、ジブリ風の世界観も相まって、個人的には全然退屈することなくストーリーを楽しめました

プレイ前は「子供向けだし細かいツッコミは無しで!」みたいなゲームだと勝手に想像していましたが、全然そんなことはありませんでした。これまでたくさんのRPGゲームをクリアしてきた方でも、恐らく飽きずに最後までストーリーを楽しめるのではないでしょうか。

シリーズ物ということもあり世界観の作りこみはしっかりとされている印象で、主要キャラクター・国々・色々な種族の関わり合いなど、二ノ国の世界を色々と楽しむことができました。強いて言えば主要キャラクターの個性が弱いようにも感じましたが、それもある意味王道を極めた結果なのかもしれません。

完全フルボイスではありませんが、豪華キャスト陣によるボイスアクトもとっても良かったです。また久石譲氏によるBGMは圧巻で、ジブリ風のグラフィックとも非常にマッチしていました。

王道で懐かしく、ちょっとありきたりなストーリー。でも世界観を含め完成度が高いから十分に楽しめる内容だと思います。ということでストーリー・世界観は9点とさせていただきます。全体を通じて暖かい雰囲気のゲームなので、心が荒んだ現代人には案外これくらいがちょうどいいのかもしれません(笑)

没入感あるジブリ風3DCGグラフィック

台湾を思わせるような街並み(引用:二ノ国の世界 | 二ノ国II レヴァナントキングダム (ninokuni.jp))

全体的にグラフィックはかなり綺麗だったと思います。街並みやオブジェクトなど細かい部分まで作りこまれており、初めて訪れる街ではいつもワクワクさせてもらいました。

百瀬氏によるジブリを思わせるキャラデザ、それを忠実に再現したグラフィック。そこは十分すぎるほど満足していますが、1点どうしても残念な点がありました

それはワールドマップなど、特定のエリアでキャラクターがちびキャラ化する点です。スマホ版FF15みたいな感じで、キャラクターやマップが一気にデフォルメされてしまうのです。

ストーリーに関わるため詳細は割愛しますが、本作にはキングダムモードと呼ばれる、自国を発展させていくシミュレーション要素も含まれています。そのキングダムモードで発展させた自分たちの国をデフォルメされた状態でしか探索できないというのは非常に残念でした。せっかくならフルクオリティの3DCGで自分たちの国を見て回りたかったです。

ワールドマップでは簡略されたグラフィックに(引用:その他の要素 | ゲーム紹介 | 二ノ国II レヴァナントキングダム (ninokuni.jp))

ワールドマップや自分たちの国など、肝心な所がデフォルメされてしまうという点がどうしても悲しかったですが、それ以外はほとんど満足。ということでグラフィックは8.5点とさせていただきます。

必要十分な操作性

引用:クエスト | ゲーム紹介 | 二ノ国II レヴァナントキングダム (ninokuni.jp)

本作の操作性は全体的に好印象でした。UIはしっかり見やすくまとまっていて、アクションやコマンドに関しても特別不満はありませんでした。

またゲームのボリュームから考えて、バグがかなり少なかったように思います。発売直後の初期バージョンでプレイした訳ではありませんので、過去にアップデートで修正があったのかもしれませんが、どちらにせよバグが少ないのはかなり嬉しいポイントです。

ダンジョン内の移動などは「ドラクエ11S」と似たような操作感でしたが、ドラクエ11Sよりも若干スムーズだった気がします。街中の移動やフィールドアクションなどを含め、全体的に操作上のストレスは少なかったと思います。

強いていえばダンジョンや街の中をもう少し速く移動する機能が欲しかったかなと思います。ゲームの性質上、お遣いクエストなどで同じマップやダンジョンを何度も行ったり来たりする必要があり、デフォルトの移動速度だと結構面倒に感じられた場面もありました。

それは操作性の問題なのかゲーム性の問題なのか…

一部ダンジョン内で時間に関わるギミックが採用されているため、ダッシュ機能があると調整が難しいみたいな、そういった事情があったのかもしれません。

なにはともあれ、バグも少なく操作性は良かったと思います!という訳で8点とさせていただきます。

難易度のグラデーションが極端な戦闘

戦闘システムはアクションRPGによくあるリアルタイムバトルみたいな感じです。テイルズシリーズやスターオーシャンみたいな感じと言えばいいのでしょうか?アイテム使用時などは時間を止めながらコマンドを選択する事も可能なので、ターン制バトルのような戦略性もありつつ、良いとこ取りなシステム。

しかしながらアクションの質は低く、戦闘は基本単調でした。回避や攻撃後に結構な硬直時間があったり、攻撃アクションをガードや回避でキャンセルできなかったり、多くの敵がスーパーアーマー持ちであったりと、アクションゲームとしては若干理不尽なゲームバランス。そのため

「プレイスキルを磨いてノーダメクリア!」

みたいなゲームではないと思います。メーカーの意図としてはターン制RPG的な楽しみ方をさせたいのかな?という印象を受けました。あまりアクションゲームという肩書に期待しすぎないほうが無難でしょう。

ただ正直な話、アクションの質については「そういうゲームだ」と思ってプレイすれば納得できるレベルの話だと思います。どちらかと言うと、一番の不満は難易度のグラデーションが極端すぎる点。

低難易度設定では歯ごたえがなく、逆に最高難易度設定でストーリー終盤~エンドコンテンツのボス戦になると、相手の攻撃はほぼ全てワンパン。とにかく味方NPCが次々戦闘不能になってしまいます。

ちなみに、このゲームでは難易度設定に応じて敵がドロップする装備品の性能が変化します。高難易度設定でプレイする現実的なメリットが用意されているため、余計にこのバランス調整の雑さがプレイヤーに重くのしかかってしまう訳です。

ただの上級者向けやりこみモードなら多少の理不尽も飲み込めるんだけどね

更に厳しいことに、本作では回復や蘇生の手段がほとんどアイテムに限定されているのですが、各アイテムには1回の戦闘あたりで使用できる回数に制限が設けられているのです。ドラクエで例えると薬草は一度の戦闘で10回まで、せかいじゅのしずくは1回まで、みたいな感じです。

味方のNPCキャラが次々ワンパンされていく中、敵の攻撃を回避しながら必死に蘇生や回復を繰り返しジリ貧に陥っていく、というのがこのゲームのあるあるパターン。回復系のスキルがホントにあってないようなものなので、アイテムの使用残数が尽きるとやれることが極端に少なくなってしまうのです。

アイテムに回数制限を設けたのは戦略性を高めるためでしょうが、ワンパンレベルの火力を持つボスとは食い合わせが悪すぎます。味方NPCが全滅して、蘇生アイテムも尽きて、一発でも食らえば即ゲームオーバー。そんな状況で超消極的なヒットアンドアウェイを繰り返し長期戦にもつれ込む、なんてこともしばしば。

バフ系のスキルやアイテムもあるにはありますが、敵の火力が強すぎるせいであってないようなもの。スクルトやルカニ的なスキルをもっと充実させるとか、敵の火力を下げる代わりにモーションを意地悪にするとか、もう少し上手に難易度調整してほしかったです。

探索についても正直そこまで楽しめる内容ではないと感じました。というのも、ワールドマップではプレイキャラがデフォルメされたチビキャラになってしまうため、広大な世界を旅しよう!みたいなテンションにはどうしてもなれなかったからです。

肝心の戦闘が若干足かせになっているのはかなりもったいないと思いました。根本的にシステムがクソならまだしも、ちょっとしたボタンの掛け違いみたいな話なので尚更残念です。という事で戦闘、探索は6点とさせていただきます。

絶対もっと面白くなれるポテンシャルはあったはず!

なんかムズムズする!

色んな要素を詰め込みまった全部乗せゲー

進軍モード(引用:ゲーム紹介 | 二ノ国II レヴァナントキングダム (ninokuni.jp))

冒頭でも触れた通り、本作はとにかく色々な要素を詰め込みまくったゲームです。アクションRPGの中に国造りシミュレーション要素を入れたり、進軍モードというタワーディフェンス(ちょっと違うけど)みたいな要素を入れたり。しまいにはハクスラ要素も詰め込んでいて、同じ名前の装備でも性能やレアリティがそれぞれ異なります。そのため、欲しい性能の装備やレアドロップの素材アイテムを本気で追い求めれば、相当なやりごたえがあると思います。

DLCによるエンドコンテンツもあり、サイドクエストも豊富で、とにかくボリューミー。ほぼ根本はるみです。

しかし一方で、それら要素ひとつひとつのクオリティはあまり高くないと感じました。キングダムモードも進軍モードもあくまでおまけ要素という感じで、本格的な「その手のゲーム」に比べればもう一つな出来栄え。キングダムモードも各所で好評を博してはいるものの、結局はあらかじめ用意された最適な形へ近づけていく作業であって、自由度の高いシミュレーションゲームとは言えません。

まあやはりおまけ要素なので、そんなの当たり前と言えば当たり前ですし、その点について不満があるわけではありません。ただ本編の戦闘システムが不完全燃焼な出来栄えだったことも相まって、全部が中途半端に思えてしまったというのが本音です。

おまけ要素としては十分すぎるほど楽しめました!

ハクスラ要素に関しても、DLC第2弾に差し掛かった途端「今までは何だったんだ!?」みたいな超高性能な装備がバンバン手に入ります。このあたりの調整の雑さがやはり引っ掛かります。そして良い装備を揃えても強ボス相手だとすぐ死にます。なんじゃそりゃ。

ボリューム満点ではあるものの、作りこみの甘さが目立ち、少しやり応えが削がれてしまうゲームでした。という事で7.5点とさせていただきます。

まとめ:素材◎、調理△

世界観やグラフィックなど、神ゲーになれるポテンシャルは十分に秘めていたと思います。そうは言っても良ゲーであることは間違いないですし、かなり楽しませていただきました。

プレイしたのがブログを書き始める前だったため実際のプレイ画像は載せられませんでしたが、なんだかんだで116時間もプレイしていたみたいです。

という事で、今回は「二ノ国2 レベナントキングダム」をレビューさせていただきました。最後まで読んでくださりありがとうございました。この記事が皆様のゲームライフを豊かにする一助になれば幸いです。このほかにもゲームに関する情報を色々と発信しておりますので、チェックしていただけたらとても嬉しいです!

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