度重なる延期を経て、2020年12月についに発売された超大型新規タイトルCyberPunk2077。
サイバーパンクな世界観をベースにした近未来オープンワールドRPGとして、発売前から非常に注目されていたゲームですが、蓋を開けてみたら発売を散々延期した挙句バグまみれ…と、発売後も色々な意味で注目を集めています。
そんなサイバーパンク2077のPC版を実際に50時間ほどプレイした筆者が、プレイしてみての感想、バグはどんな状態なのかなど、正直にお伝えしていこうと思います!
対応機種 | PS4,PS5,Xbox One,PC |
発売日 | 2020年12月10日 |
開発元 | CD Projekt Red |
CyberPunk2077ってどんなゲーム?
サイバーパンク2077は、一人称視点・シングルプレイのオープンワールドRPGです。タイトルにもある通り2077年のアメリカ、ナイトシティという架空の街を舞台に物語が進んでいきます。
2077年のナイトシティでは人々が機械とより深く共存しています。体や神経系を部分的にインプラントと呼ばれる機械に置き換えることで圧倒的なテクノロジーを手に入れる事に成功しています。
例えば腕を機械化して喧嘩に強くなったり、神経系にインプラントを埋め込んで体一つで遠隔ハッキングをしたりと、厨二心をくすぐる世界観です。要は己の体が兵器でありシステムである訳です。
一方で、金さえあれば個人が強大な技術・強さを手にする事も出来る訳ですから倫理観はメチャクチャになっています。そんなギャングがはびこる街・ナイトシティで成り上がっていく主人公Vの物語が本作のテーマとなっています。
バグはどんな感じ?
結論から申し上げますと、PC版以外でのプレイはあまりおすすめしません。現在コンシューマー版は大規模パッチの配信などにより、諸々の不具合が改善されているようですが、それでもあまり安定性が高いとは言えない状態だと思います。PC版でもバグには何度も出会いましたが、クラッシュや詰み系のバグはありませんでした。
たまたまかもしれないけどね
※発売開始直後、あまりにも深刻なバグが多かったため、コンシューマー版はメーカーによる返金対応にまで発展しました。当時に比べれば、修正パッチにより大分マシになっているとの噂ですが、お金を払って真偽のほどを確かめる勇気はありません…。
特にPS4・Xbox Oneではマシンパワーが足りないのか、ちょっと挙動が怪しい、重いとの声もよく聞かれます。
PS5ならその辺りをクリア出来るかもしれませんが、バグ問題を抱えている点は同じです。そのため、ミドルスペック以上のゲーミングPCでプレイするのが大安定だと思います。
また本作にはゴア・性的表現が多数含まれており、コンシューマー版ではそれらが規制されています。開発会社が表現したかった世界観をフルで味わうには、やはりPC版の方がおすすめということになりますね。
Cyberpunk2077の個人的なスコア
- ストーリー/世界観:9点
- グラフィック:8.5点
- 操作性:4点
- 戦闘/探索:9点
- やりこみ度:7点
- 合計:41/50点
基本的なゲーム性はいわゆるオープンワールドARPGといった感じのゲームで、近未来な世界観、豊富なサイドジョブ、美麗なグラフィックとFPS的な戦闘が楽しめます。
ここからは各スコアの採点基準について詳しく解説していきます!
緻密に作り込まれた、生きた街ナイトシティ
なんと言っても作り込まれた世界観がこのゲーム1番の魅力だと思います。
ゲームの舞台となる街ナイトシティは、あらゆる場所で人々が行き交い、音楽が流れ、喧嘩や抗争が勃発するなど、まさに生きた街だと感じさせてくれます。
ゲーム内の文化やサブカルチャーを垣間見るような場面もたくさんあります。
例えばゲーム内の架空のアイドルユニットによる楽曲として制作された「Pon Pon Shit」は、その完成度と中毒性の高さから現実の世界でもバズりました。このPon Pon Shitは、ゲーム内でカーステレオや街中などから度々流れています。こういう細部まで妥協しない姿勢がゲーム全体の完成度を高めているのだと思います。
また、スパイク・チュンソフトによる日本語ローカライズも信頼と実績のクオリティで、直訳では伝わらないようなスラングやジョークもしっかり日本人が理解しやすい表現に落とし込まれているのが伝わってきます。
一方でストーリーは若干分かりにくく、置いてきぼりをくらいやすい内容だと感じました。
よくよく整理してみると1つの目的のために奔走する筋の通ったストーリーなのですが、ゲーム内の常識・価値観や固有名詞に対する説明が少なめです。そのため初見では大筋を追う事をできても、完璧に理解するのは難しいと感じる場面がいくつかありました。
プレイヤーの選択によって分岐するマルチエンディングのストーリー自体は没入感があってかなり質が高いと思います。そのため、話について行けさえすれば満足できる内容になってるのではないでしょうか。このあたりはウィッチャー3しかり、CD Projektらしい仕上がりと言えそうですね。
一方ライトにゲームを楽しみたいという方にはあまりおすすめできないかもしれません。プレイヤー側にもゲームにのめり込もうとする姿勢が求められると思います。
個人的には会話やイベント含めて、ほとんどがシームレスに進んでいく点が非常に好きでした。イベント会話中でも自由に動き回れたり、会話・戦闘中も視点や画面が切り替わらない感じが、本当にVの人生を擬似体験しているような没入感をもたらしていると思います。
その辺りを総合的に考え、ストーリー・世界観は8.5点とさせていただきました。
ちなみにゲームを開始する際、まず初めに主人公の生い立ちを選択することになりますが、こちらはあまりストーリーに影響が無いようです。オープニングムービーが変わったり、本編内で会話の選択肢が微妙に変化する程度ですので、直感でお好きなものを選んでいただけばOKです!
美麗で精細なグラフィック
本作のグラフィックはかなりのものだと思います。キャラデザに若干クセがある気はしますが、街並み・人物・光や影の表現など、まさに2020年代のAAAタイトルといった出来栄えです。
その分要求スペックは高いですが、RTX2070くらいの性能があれば高設定×安定したフレームレートで遊べると思います。
しかし残念なことに、グラフィック系のバグは結構多めです。パッチによって状況は変わってきていると思いますが、筆者がプレイしていた段階では車を運転している時にVがボンネット突き破ってTT兄弟してたり、男〇器がズボン突き破ってハミチンしてたり、なぜか車のドアが外れた状態でクエストが進行したり、ハチャメチャなバグが多かったです。
配信者である釈迦さんの配信を見ていたら、いきなり車が地面にスタックして、そのまま爆発して死んでました。これはもはやグラフィックの問題なのかっていう話ですけどねw
ベースのクオリティが高いだけに、バグの多さがとにかく残念でした。今は改善されているのかも知れませんが、筆者がプレイしたバージョンへのレビューということで、8.5点とさせていただきました。
悪くはないが割り切りが必要な操作性
バグの話ばかりで申し訳ないですが、操作性に関してはやはりバグが多いのでちょっと辛めです。
UIのデザインやゲーム全体を通しての操作性は悪く無いのですが、バグと上手く付き合う覚悟がないと厳しいです。
筆者の場合、戦闘エリアでメールや通話画面を開くと、閉じた後に高確率でキャラがフリーズするというバグに見舞われていました。しかしその状態で一旦システムメニューを開いてまた元に戻ると、フリーズが治るというグリッチ(?)を発見したため、致命的なバグにはなりませんでした。
こういったバグをどう捉えるかは、プレイヤーがどの程度サイバーパンクにいれ込んでいるかに帰結する気がします。筆者の場合何年も楽しみにしていたタイトルなので、この程度のことではへこたれませんでしたが、
「話題作だしちょっとプレイしてみよ」
みたいな方にとってはストレスでしかないと思います。やめる理由としても十分だと思います…。
他にも一部のサイバーウェア(特殊武器)が使用できなかったり、一時的にクエストが進行不可能になるバグ(リロードすると治る系)もありましたので、やはり悪い意味で人を選ぶゲームだと思います。
またシステムに関しても若干分かりにくい部分があるかな、と感じました。サイバーウェアやアビリティなど、主人公を強化するための要素がいくつかあるのですが、これらの仕組みを理解するのに少し時間を要しました。
理解できればなるほど!と面白さがグッと増すのですが、直感的に理解しやすいUIやシステムにはなっていないように感じました。
筆者がチュートリアル読み飛ばしちゃってたらごめんなさい
コンソール版ほどではないにしろ、PC版もかなりバグが多かったため、操作性は4点とさせていただきます。
硬派な戦闘と果てしない探索
本作では本格的なFPS戦闘が楽しめます。武器にも色々な種類があり、一般的なピストルやアサルトライフルから自動追尾ミサイル銃まで用意されています。近未来的なテクノロジーを感じさせる武器は使っていて興奮しました。
他にもサイバーウェア(インプラント)を体に埋め込むことで、様々なアビリティや特殊な武器を使用できます。神経系を強化することで回避行動中に時間の流れが遅くなったりなど、オリジナリティを感じさせるギミックも多数盛り込まれています。
もちろん脳筋一辺倒なゲームという訳ではありません。ステルスで敵を一撃で仕留めたり、ハッキングで遠距離から攻撃したり。プレイヤーが好みに合わせてプレイスタイルを選択出来るのは嬉しいポイントです。
この辺りの近未来感・サイバーパンク感は、しっかり本作ならではの魅力として機能していました。
探索についてもオープンワールドらしく、かなり自由度の高いものになっていました。ナイトシティの中を自由に駆け回り、ギャングの抗争を鎮圧したり賞金首を始末したりと、やれることは十分すぎるほどあります。
フィールド内はほとんどシームレスに動き回れて、バイカルチャー的な街並みを見て回るだけでも十分楽しさがあると思います。そこら中にアイテムやクエストが転がっているため、ついつい少し歩いては寄り道してしまいました。
マイナスポイントを挙げるとするなら、難易度のバランス調整が微妙かな?と感じました。
本作はプレイヤーのレベルに応じて敵のレベルやドロップアイテムの性能が変化していくシステムになっているのですが、終盤に向かうにつれて、段々戦闘が作業的になってしまった印象を受けました。
序盤はザコキャラ相手に苦戦することも多かったのですが、こちらの装備やスキルが揃ってくると大体の敵は簡単に倒せるようになってしまうため、
序盤ムズくて終盤ぬるゲー
を地で行ってるようなゲームバランスに感じらました。その点は少し残念だったかもしれません。
その辺りを考慮して9点とさせていただきました。
ボリュームMAXだが自由度が思ったより低め
本作には膨大なジョブ(クエスト)が存在するため、それらすべてをクリアしようとすると相当な時間やり込めると思います。車やバイクの収集、装備の収集など、自分自身で楽しみを見いだせればいつまででも遊んでいられます。
一方で、メインシナリオのボリュームは今一つという印象でした。サクッとクリアしようと思えば、15~20時間程度でクリアできると思います。
膨大なサイドクエストや各種寄り道要素を「やりごたえがある」と感じるか、「面倒くさい」と感じるかによってこの辺りの評価は分かれてしまうかもしれませんね。
なお2021年5月現在、DLCによる追加シナリオのアナウンスはありません。マルチプレイ導入も販売開始前に噂されていましたが、現在はほぼ凍結状態。まあこれだけバグ騒ぎがあれば仕方ないのかもしれません。
DLCやマルチプレイが導入されればやりこみ度の評価は変化するかもしれませんが、現状では一般的なオープンワールドゲームの水準といった感じです。
また自由度に関しては、事前情報から想像していたよりも低かった印象です。ナイトシティの中でなんでもやりたいことができるゲームと思いきや、プレイを進めるにつれ意外とそうでもないかも…?みたいな感じでした。
例えば車の収集に関しても、購入した車をカスタマイズする機能がないのは非常に残念でした。車の塗装やパーツ交換など、ある種こういったゲームにおける醍醐味のひとつだと思うのですが、それらができないというのは少し残念でした。
他にも家を購入したりインテリアを自由に配置したり、なんていう事もできません。その辺りのロールプレイ要素がもっと充実していてくれたらよかったのになー、と少し感じました。
しかしながら本作のストーリーは主人公Vが急いで解決しないと命が危ない事件に巻き込まれていく、というのが大筋にあるわけですから、そんな悠長なことしてる場合じゃないよ!というツッコミを食らう可能性もあるわけです。ある種ストーリーにゲーム性が制限されている部分もあるのかもしれませんね。
という事でやりこみ度は7点とさせていただきます。
まとめ:バグ多めの良ゲー
いかがでしたでしょうか。
バグが切っても切れない存在としてついて回るゲームになってしまいました。期待して待っていた身としては、その点が非常に残念でなりません。バグフィックスが進んだ状態で記憶を消してもう一度遊びたい、そんなタイトルです。
最後に本記事の内容を3行でまとめるとこんな感じです。
- PC版の方がコンソール版よりもバグ状況がだいぶマシ
- 作りこまれた世界観やグラフィックは最高峰
- 意外と自由度が低く、とにかくバグが多いので人を選ぶゲーム
最後まで読んでくださりありがとうございました。この記事が皆様のゲームライフを豊かにする一助になれば幸いです。このほかにもゲームに関する情報を色々と発信しておりますので、チェックしていただけたらとても嬉しいです!
コメント