突然ですが皆さんは「龍が如く」というゲームをご存じでしょうか。神室町と呼ばれる歓楽街を舞台に、極道達の人間模様や生き様を描いた人気シリーズです。
そんな龍が如くシリーズの最新作
龍が如く7 光と闇の行方
が色々な意味で名作だったので、今回はその魅力をご紹介させていただこうと思います。
という訳で本記事では
の3点を軸に、龍が如く7を深堀りしていきたいと思います!
※本記事には若干のネタバレが含まれますのでご注意ください
龍が如く7ってどんなゲーム?
「龍が如く7 光と闇の行方」は、2020年1月16日にセガゲームズより発売されたゲームです。2022年現在、XBox Game Passでもプレイすることが出来ます。※GamePassって?と言う方はぜひこちらの記事もご覧ください。
主人公の春日一番が「伊勢崎異人町」と呼ばれる街を舞台に、裏社会に生きる人間たちと関わり、陰謀に巻き込まれたりしながら、どん底から這い上がっていく…というのがストーリーの大筋です。ゲームシステムを一言で表現するならちょっとクセのあるJRPGといった感じでしょうか。
オープンワールド風味の探索要素がありつつ、戦闘はターン制のコマンドバトルが採用されています。
ちなみにこの異人町は、横浜の伊勢佐木町という実在の街をモチーフにしているそうです。筆者は訪れたことがないので分かりませんが、結構再現度が高いらしいです。
これまでの龍が如くシリーズでは歌舞伎町をモチーフにした「神室町」という歓楽街が部隊となっていましたが、こちらも圧倒的なリアリティと再現度でプレイヤーを魅了してきました。リアルな繁華街を街ブラできるという点も、龍が如くシリーズの魅力のひとつです。
タイトル | 龍が如く7 光と闇の行方 |
対応機種 | PS4・PS5 Xbox One Xbox X/S PC(Steam・Microsoft) |
発売日 | 2020年1月16日 |
開発元 | セガ第一CS研究開発部(龍が如くスタジオ) |
シリーズ未プレイの人にこそおすすめの理由
ナンバリングタイトルの宿命として
「過去作の知識がないから途中から手を付けにくい」
という悩みが常に付いて回ります。本作「龍が如く7」においても、そういった理由から敬遠している方が多いのではないでしょうか。しかし冒頭でも申し上げた通り、本作は龍が如くシリーズをプレイしたことが無い方にこそおすすめのタイトルなのです。
かくいう筆者も本作がシリーズ初プレイ
これまでの龍が如くシリーズは、桐生一馬という名の極道が不動の主人公でした。しかし、言わばこの「桐生一馬物語」は前作の龍が如く6で完結しています。本作では新たに春日一番という人物が主人公になっており、物語の舞台も神室町から異人町へと変わっています。
前作までの主要人物も再登場しているようですが、何の説明もなしに突然出てきたりはしません。そのため、シリーズの知識が全くない状態でプレイしてもしっかり楽しめるタイトルになっているわけです。
また、戦闘システムも本作からターン制コマンドバトルが採用されており、従来からの変更点が非常に多いようです。そのため、むしろシリーズ未プレイの方こそ新鮮な気持ちで遊べるタイトルなのではと思います。
以上のことから、シリーズ未プレイのゲーマーが新たに龍が如くを遊び始めるにあたって最適なタイトルなのではないでしょうか。
龍が如く7のレビュー
ここからは実際にストーリークリアまでプレイした筆者による「龍が如く7 光と闇の行方」のレビューをお届けします。
個人的なスコア
ストーリー・世界観 | |
グラフィック | |
操作性 | |
戦闘 | |
やりこみ要素 | |
総合点 |
いわゆるJRPG的なゲームではありますが、メタ的な要素やコメディ要素も多く、ただ前時代的なだけではないクリエイティブなゲームだと感じました。ストーリーや登場人物のキャラクターのクオリティがめちゃくちゃ高くて、のめり込むようにプレイしてしまいました。
という事でここからは良かった点、イマイチな点について細かく掘り下げていきます。
良かったところ
まずは本作の良かった点についてレビューさせていただきます。
アツいストーリー
本作の主人公は春日一番という元極道。組長の息子をかばうため、殺人の罪を被り刑務所で務めを果たすも、出所した彼を待っていたのは厳しい現実だった…というのが本作のプロローグ。
そこから一番が色々な仲間と出会いながら、過去の因縁とケジメを付けるべく人生をやり直していく、という物語です。どん底から這い上がるという分かりやすく共感性の高いテーマが基盤になっているため、非常に感情移入がしやすいストーリーでした。脚本的な意味合いでも素晴らしい作品ですので、どんどん続きが気になってしまいました。
フェイスモデル・声優としてゲスト出演している俳優の中井貴一さん、堤真一さん、安田顕さんらの演技も素晴らしく、裏社会の事なんて何にも知らない筆者のようなシャバ僧でも、妙なリアリティを感じてしまうような凄みが作品を通して漂っていました。
またキャラクターの作りこみも素晴らしく、特にパーティーメンバー達は皆個性豊かで魅力的でした。ゲームやムービーの随所に散りばめられた仲間たちとの掛け合いも非常に印象的で、オジサン版FF15みたいな感じ。
良くできたストーリーと魅力的な登場人物で、あっという間に夢中になってしまう、そんな神ゲーでした。
リアルな街並み
本作の街並みはなんと言ってもリアリティがすごいです。特に夜の繁華街は圧巻の仕上がりです。サイドクエストを探しながらフラフラしてるだけでも、何とも言えない没入感があります。
龍が如く7の開発には「ドラゴンエンジン」という、セガ独自のゲームエンジンが使用されているとのこと。このゲームエンジンはリアルな歓楽街を再現するため、大量の光源やオブジェクトを物理的に処理することに特化しているそうです。その恩恵もあってか、非常に密度の高い歓楽街が楽しめるゲームに仕上がっています。
理想のゲームを制作するためにゲームエンジンごと開発しちゃうとは、まさに大企業のなせる業と言ったところでしょうか。
あっぱれです
超豊富な寄り道要素
本作にはこれでもかとばかりに寄り道要素が用意されています。サイドクエストはもちろんのこと、プレイスポットと呼ばれるミニゲーム的な要素が非常に豊富です。
パチスロ・ゲーセン・ダーツバー・ゴルフ練習場・映画館など、現実世界とリンクしたミニゲームが非常に多いのが特徴的です。どれも別ゲームとしてもそこそこ成立しているような、しっかりとしたクオリティが魅力的。その中でも個人的には「会社経営モード」が圧倒的に面白かったです。
春日の成り上がりという本作のテーマともマッチしていますし、お手軽に会社経営シミュレーションが楽しめるのは非常に太っ腹だなと思いました。人材のスカウトから物件の買い上げ、株主総会まで網羅した、何気に本格的な仕上がりです。
その他にもクラフト要素や敵キャラ図鑑の収集要素、クリア後の高難易度ダンジョンなど、やりこみ度合いは相当なものでした。メインストーリーだけをサクッと楽しむというより、寄り道要素をどれだけ楽しむかが肝のゲームなんだなと改めて実感しました。
シンプルで奥深い戦闘
本作ではシリーズ初の試みとして、ターン制コマンドバトルが導入されています。パーティー人数は最大4人で、主人公の春日一番は必ずパーティーに入れなければなりません。一番のHPが0になるとゲームオーバーになってしまいます。
各キャラクターはハローワークに行くことで「転職」が可能です。職業を変えることで、覚えるアビリティやステータスが変化します。
要するにドラクエだよね
技の名前や演出も職業にちなんでいたり、回復アイテムがコンビニ弁当だったりと、リアリティを追求した結果メタ的なギャグ要素が生まれていて、個人的には結構好きでした。武装したヤクザをギターで殴り倒すストリートミュージシャンとは。
一瞬「一番をパーティーに入れるのが必須」というシステムを窮屈に感じたこともありましたが、高難易度ダンジョンをプレイする頃には丁度いい縛りだと感じるようになりました。(というか主人公が普通に強い)
ちなみに、難易度設定としては結構ユルい方だと思います。戦略性はあまり高くなく、ほとんどゴリ押しで何とかなってしまうので、ガッツリ手応えのある難易度を求める人には物足りないと思います。
一方でストーリーや寄り道要素を楽しみつつライトにプレイするゲームという観点から見ると、実にちょうどいいバランスになっているとも感じました。
イマイチなところ
以上が本作の良かったところです。ここからは、筆者がプレイしていて少し気になった点について解説していきます。
ご都合主義が目立つ
本作をプレイする中で、ストーリーのご都合主義的な部分が何度か気になりました。
ヤクザの本部の警備がめちゃくちゃザルだったり、誰も刃物や銃器を使ってこなかったりとか。ヤクザとの乱闘にちゃっかりチーママが参加してるのおかしくない?とか。
しかも息切れしながら最後まで立ってるという
シリアスなシーンで、流石に主人公たちにとって都合よすぎないか?と感じることが何度かありました。うまく言語化するのが難しいですが、「日テレのドラマか~?」みたいなあの感じですw
そもそもギャグ要素の強いゲームですから、いちいち細かい所を気にしすぎるのも…という話でもあるんでしょうが、ストーリー展開や声優さん達の演技が素晴らしいだけに、ついついこっちもマジになってしまうという。
素晴らしいストーリーである事には変わりありませんが、人によっては少し気になる部分かもしれません。
一部のUIと操作性
一部のUIと操作性に若干の使いにくさを感じました。例えば武器を交換する際、攻撃力が上がるのか下がるのかが直感的に分かりにくいなと感じました。
また、各種ステータスの意味が良く分かりませんでした。このスキルは攻撃力依存なのか、攻撃魔力依存なのか、どこをチェックすればいいのか本当に分かりませんでした。
そもそも本当に魔法使うわけじゃないしね
また、フィールド探索時の操作性に若干難がありました。ピタッと止まれなかったり、細かい動きが難しく、アイテムを拾ったり宝箱を開けたりするのに手間取る場面が何度かありました。
あとこれはPC版に限った話ではありますが、一度タイトルに戻らないとゲームを終了できないのは個人的にちょっと面倒だなと思いました。PCゲーマーとしては、ゲーム内メニューに「ゲームを終了する」や「デスクトップに戻る」も追加してほしかったです。
所々テンポが悪い
ザコ敵戦のエンカウントがほぼ不可避だったり、戦闘から逃げるのに失敗することがちょこちょこあったり、毎戦闘後にスローモーションになる演出があったり、微妙にテンポが悪いなと感じる事が何度かありました。
ザコ敵の索敵範囲が広すぎるんじゃ!
後半になるとアクセサリーでザコ敵とのエンカウントを避けられるようになりますが、そのアクセサリーを入手するまではどうしてもテンポが悪く感じてしまいました。
人物のグラフィック
リアルな繁華街の街並みなど、グラフィック面では基本的に大満足の本作。ただ、人物のグラフィックについてはちょっとイマイチな印象でした。
表情や動きが全体的にカタく、テクスチャ品質は高いのに、どこかもったいないような印象を受けました。クエストに登場するようなモブキャラの顔も使いまわしが多く、その辺りが少し残念でした。
まとめ
色々好き勝手に申し上げましたが、一言でまとめると「クセのある次世代型JRPG」という感じです。
寄り道要素満載ですがオープンワールドという感じではなく、ストーリー重視ですが一本道ゲーでもなく。新しい形のJRPGを見たという感じがしました。
難易度重視の本格派ゲーマーの方にはあまりオススメできないかもしれませんが、「とりあえず楽しいRPGがやりたい!」という方にはまずオススメのタイトルです。
ファンタジー系の世界観に飽きてきた…なんて方にもオススメ!
最後まで読んでくださりありがとうございました。この記事が皆様のゲームライフを豊かにする一助になれば幸いです。このほかにもゲームに関する情報を色々と発信しておりますので、チェックしていただけたらとても嬉しいです!
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