「約束された神ゲー」として発売前からゲーマーを大いに沸かせていたビッグタイトル、
ELDENRING(エルデンリング)
「ダークソウルシリーズを基調としたゲームシステムに、オープンワールドの要素を追加した作品」という、いかにも面白そうな触れ込み。これだけの期待感がありながら、ハードルをあっさりと越えていった圧倒的な面白さ。本記事ではそんなエルデンリングについて、
の3点について取り上げていきたいと思います。
ELDEN RINGってどんなゲーム?
ELDENRING(エルデンリング)は、フロムソフトウェア社が開発を手掛けたアクションゲームです。「死にゲー」と呼ばれる、何度もコンテニューしながらチャレンジする前提の難易度設計が魅力のゲームです。
同社の大ヒットシリーズ「DarkSoulsシリーズ」がゲーム性の基盤となっています。硬派な戦闘、自由な育成、圧倒的な難易度と重々しい世界観。Steamでは「Souls Like(ソウル風)」というタグが存在するほど、世界中で圧倒的な評価を受けているタイトルです。
そんなダークソウルシリーズは現在ナンバリングタイトルが3作発表されていますが、エルデンリングは実質その続編タイトルというような位置づけの作品です。ただし、先程も少し触れたように、ダークソウルにオープンワールドの要素を追加することで、全く新しいゲーム体験を創り出しています。
そのため、ダークソウル4ではなく新規タイトルとして打ち出された、全く新しい「ソウルライクゲーム」と言えます。
ダークソウルらしさは受け継ぎつつ、新しい魅力もたっぷりな神ゲー。
そんなエルデンリングですが、発売当初はゲームの安定性などに関する不満もたくさん見受けられました。その辺りについては別の記事で詳しく紹介していますので、気になる方はぜひそちらもチェックしてみて下さい。
ELDENRINGはどんな人におすすめ?
先程からエルデンリングの事を「約束された神ゲー」などと言っておりますが、実は結構人を選ぶゲームだと個人的には思います。
筆者がそう思う要因のひとつが難易度の高さです。ソウルシリーズや死にゲーに慣れていないゲーマーからすると、イカれた難易度の理不尽ゲーに感じると思います。その難しさを攻略していくのがこのゲームの醍醐味でもあるため、そこに楽しさを見い出せない方や、アクションゲームが苦手な方にはあまりおすすめできないかもしれません。
また、極限まで無駄を省いた結果、UIやストーリーテリングなどの部分ついては、お世辞にも丁寧とは言えない仕上がりになっています。ダークソウルを始めとする「フロムゲー」に慣れている方なら
「そこが魅力だろ!」
と思えるでしょうが、本作がフロムゲー初プレイという方にとって、この簡素なゲーム設計が大きなマイナス要素になってしまうかもしれません。
ELDENRINGのレビュー
ここからは実際にエルデンリングを150時間ほど、2キャラ・3周プレイした筆者によるレビューをお届けします。
個人的なスコア
ストーリー・世界観 | |
グラフィック | |
UI・操作性 | |
戦闘 | |
やりこみ要素 | |
総合点 |
ボリュームや戦闘面において(つまりゲームのメイン要素において)は、ほとんど文句がありません。ダークソウルの良い所を、様々な追加要素によってさらに増幅させたような、とにかく素晴らしいゲームです。無限に遊べてしまう時間泥棒ゲームです。
一方で動作の不安定さなど、細かい部分で少し気になった事がいくつかありました。
という訳でここからは良かった所、イマイチな所について細かく掘り下げていきます。
※本記事ではSteam版を基にレビューしています。
良かった所
まずは本作の中でも特に良かった所をいくつかご紹介します。
硬派な戦闘システム
なんと言っても本作の魅力は戦闘の奥深さにあると思います。
敵の攻撃を避けて、防いで、こちらの攻撃を当てる。たったこれだけのシンプルな戦闘が、圧倒的な奥深さを感じさせてくれます。
特にボスとの戦闘は手に汗を握るような緊張感があり、このスリルは一度ハマるとなかなか抜け出すのが難しいです。今作のボスはモーションのディレイが極端に多く、雑に操作をしていると回避後の硬直タイミングを狩られてしまいます。(俗にいうロリ狩り)
戦闘中に焦って回避ボタンを連打してしまう事が良くあるのですが、そうすると必ず主人公は2回、3回と勝手にローリングをしてしまいます。そのため、焦るとすぐにロリ狩りで殺されます。連打やゴリ押しで誤魔化そうとしても、意地悪に忠実に操作が反映されてしまうという、開発者の強いこだわりを感じます。
敵のモーションを見切って、冷静に立ち回れるようになるまで、何度も死にながら練習して攻略していく。シンプルなのに飽きがこない、非常に奥深い戦闘システムが魅力のゲームです。
圧倒的な探索ボリューム
本作は異常な程にボリューミーなゲームです。とにかくマップが広く、探索要素がこれでもかと詰め込まれています。
オープンワールドの要素を追加することで、ボリュームが増えただけではなく、ゲームプレイに程よく自由度がプラスされているのも嬉しいポイントだと思います。ボスやダンジョンの攻略順序もかなり自由ですし、各地で発生するNPCイベント(サブクエスト)を優先して進めるのも自由です。
一口にオープンワールドと言っても、マップが広いだけで中身がスカスカなゲームも存在します。また、マップがあまりに広過ぎると探索意欲がそがれてしまう事もあります。その点エルデンリングは、回りきれるマップサイズの中にしっかりとイベントやダンジョンが詰め込まれています。ファストトラベルや「霊馬」という移動手段も用意されているため、探索中のストレスも限りなく0に近いです。
なんとなく立ち寄った先で洞窟や地下墓地を発見して、その攻略に1時間かかる…なんていうことも珍しくありません。
無限に遊べるプレイボリュームはまさに圧巻の一言です。
自由度の高い育成、ビルド要素
本作はダークソウルシリーズと同様に、プレイヤーが任意の能力値を自由に伸ばすことのできる育成システムが採用されています。筋力を伸ばして脳筋戦士になるもよし、知力を伸ばして魔法戦士になるもよし。好みに合わせて様々なビルドが楽しめます。
また、本作では武器ごとに「能力補正」という概念が存在します。自分の使いたい武器は”どの能力値を上げると強くなるのか?”を考えながらステータスを振り分けていく必要があります。例えば筋力補正が高い武器なら筋力を伸ばす必要がありますし、知力補正が高い武器なら知力を伸ばす必要があります。
育成のコンセプトは何通りも存在するため、一度のプレイではとても遊びきれない奥深さと自由度があります。この育成要素も本作の魅力のひとつです。
脳筋で進めてきたけど、やっぱり魔法も使いたい!などなど。
複数のセーブデータを作って、何度でも遊びたくなる魅力があります。
若干とっつきにくいシステムではありますが、ダークソウル3と比べると相当分かりやすくなっていると思いますし、序盤からステータスのふり直しが出来るため、初心者の方でもそこまで苦労することはないと思います。
絶妙な難易度設計
本作の難易度設計やレベリングシステムはとにかく絶妙だと思います。確かに死にゲーらしい高難易度ゲームではあるものの、取捨選択が可能な救済措置も随所に散りばめられています。
その最たる例が「遺灰」です。遺灰とは本作から新しく導入された、特定の場所で味方NPCを召喚することが出来るシステムです。特定の場所というのは、要するにボスエリアや道中の敵が多い箇所などですね。
敵が強い所でお助けキャラを召喚できるようになったよ
遺灰で召喚できる味方NPCは、特定のアイテムを使用することで強化・育成することが可能です。しっかり強化した遺灰はなかなかの強さで、弾除けにもなるためボスによってはごり押しも可能です。
もちろん遺灰を召喚するかどうかは完全に任意ですので、勝手にヌルゲーになってしまう心配はありません。遺灰を縛ることで、従来のような高難易度プレイも楽しむことが出来ます。
このあたりの難易度設計が非常に絶妙だと感じました。初心者から玄人まで、誰もが満足して遊べるゲーム、それがエルデンリング。
カッコつけてんじゃねぇ
イマイチな所
ここからは、エルデンリングをプレイしていて少し気になった点を紹介していきます。
ストーリーが分かりにくい
フロムゲーに慣れた方にとっては「今に始まった話じゃない」という感じでしょうが、今作もとにかくストーリーが分かりにくいです。
そもそものストーリーが難解なうえ、ストーリーテリングの手法が全く親切ではありません。普通にゲームをプレイしているだけでは、ほとんどストーリーは理解できないと思います。詳しく知りたい方は、NPCとの会話やアイテムの説明テキストなどを注意深くチェックするか、Youtubeなどで解説動画を見るしかありません。
そもそもゲームの基幹部分が非常に面白いので、ストーリーが添え物的な扱いになっている側面はあります。ストーリーをそこまで気にしなくても十分楽しめることは間違いありませんが、もう少し丁寧にストーリーを伝えて欲しいと感じる方も少なくないのではないでしょうか。
動作が不安定
筆者はSteam版のエルデンリングをプレイしましたが、前評判通り動作の安定性は低かった印象です。クラッシュやフリーズはほとんどありませんでしたが、フレームレートが突然下がったり、画面が激しくカクついたり…という細かい不具合に何度も悩まされました。
シビアなプレイを強いられる高難易度アクションゲームにおいて、カクつきはかなりのストレスでした。
地味にロードも長かったですね
2022年7月現在では、度重なるアップデートのおかげで安定性も向上してきた気がします。それでもやはり、筆者の環境だと60FPS張り付きはまだちょっと厳しいです。ダークソウル3からそこまでグラフィックが向上しているわけでもないのに、なぜこんなに重いのか…と少し気になってしまいました。
UIやシステムが不親切
ストーリーの部分でもお伝えした通り、本作は比較的不親切なゲーム設計になっています。無駄をそぎ落としまくった結果、非常に玄人好みではあるものの、全体的にとっつきにくい仕上がりに。
例えば「NPCイベント」と呼ばれる、いわゆるサブクエストのようなゲーム内イベントが多数存在するのですが、その進行状況はプレイヤーが暗記しておくしかありません。
今時そんなことが?
アップデートでNPCの位置がマップ上に表示されるようにはなったものの、クエストボードなどは一切なく、広大なマップから特定のNPCを探しだすのは非常に困難です。
次にどこに行けばいいのか、誰に会えばいいのか。一度見失ってしまったが最後、攻略サイトを見るか諦めるかの2択を常に迫られます。初見では攻略サイトを見ずにプレイしたいという方も多いと思いますが、初見で満足にNPCイベントを回収するのは至難の業です。
操作性はとにかく無駄がなく洗練されているのですが、UIやシステム面に限っては、無駄と一緒に必要なものまでそぎ落とされている印象が否めませんでした。特にフロムゲー初心者の方にとってはかなり厳しい仕様だと思います。
まとめ
色々好き勝手申し上げてきましたが、結局の所、エルデンリングは神ゲーでした。UIの不親切さ、動作の不安定さなど、様々なマイナスポイントを差し引いても楽しめる、ずっと遊んでいたい、そんなゲームです。
一方で高難易度のアクションゲームに免疫がない方、親切設計の国産ゲーしかプレイしたことのない方にとっては、少し取っつきにくいゲームだとも思います。
死にゲーが好きな方、高難易度のアクションゲームが好きな方、とにかく探索が好きな方、雰囲気ゲーでロールプレイを楽しみたい方には爆裂にオススメです!
最後まで読んでくださりありがとうございました。この記事が皆様のゲームライフを豊かにする一助になれば幸いです。このほかにもゲームに関する情報を色々と発信しておりますので、チェックしていただけたらとても嬉しいです!
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