2021年7月に発売された育成JRPG「モンスターハンターストーリーズ2 破滅の翼」。モンハンの世界観を踏襲しながら、モンスターと絆を結ぶ「ライダー」に焦点を当てた、スピンオフシリーズの2作目です。
ということで本記事では
の3点について取り上げていきたいと思います。
モンスターハンターストーリーズ2ってどんなゲーム?
モンハンストーリーズ2は、正統派育成JRPGゲームです。ドラクエにおけるモンスターズシリーズと同じような感じで、モンスターを仲間にして冒険をするというゲーム。
従来のモンハンシリーズでは、モンスターを狩るハンター達を中心に物語が進んでいきますが、ストーリーズではモンスターと絆を結ぶ「ライダー」達に焦点が当てられています。
モンスター達を「オトモン」として仲間にしていきながら、世界を襲う陰謀に立ち向かっていくのが本作のメインストーリーです。
タイトル | モンスターハンターストーリーズ2 ~破滅の翼~ |
対応機種 | Switch/PC(Steam) |
発売日 | 2021年7月9日 |
発売元 | CAPCOM |
過去作の知識は必要?
モンハンストーリーズシリーズの第1作目は2016年に3DS用ソフトとして発表されました。本作はその続きから物語が始まるため、過去作の登場人物が再登場する場面もそれなりにあったりします。そのため、過去作の知識があった方がより楽しめる作品と言えるでしょう。ちょっとした身内ネタというか、【過去作キャラの人となりを知っている前提のギャグ】みたいなものも少しだけありました。
一方で、固有名詞・世界観・人物に関しては、作中でそれなりに解説してくれるため、今作がシリーズ初プレイだという方でも問題なく楽しめる内容にはなっていると思います。筆者も過去作・アニメシリーズには完全ノータッチだったため、本作がシリーズ完全初見プレイでしたが、しっかり楽しむことができました。
まとめると
過去作を未プレイでも楽しめるが、やったことある人の方がより楽しめそう
とった印象です。
どんな人におすすめ?
本作の魅力はとにかく育成にあると思います。ポケモンやドラクエモンスターズなど、モンスターを捕まえて厳選・育成するようなゲームがお好きな方には持ってこいのゲームだと思います。
とにかく本作の厳選・育成要素は奥が深く、こだわり始めるとキリがない程。ここを楽しめるかどうかが肝だと思います。
クリア後のエンドコンテンツやPvPの対人戦など、やり込み要素のボリュームは満点ですが、本気でやりこもうと思った場合、育成(とくに厳選)にかる時間は結構なものになっているはずです。
育成や厳選を作業と感じてしまいそうか、その作業自体をご褒美として楽しめそうなのか…。
この点はご購入前に一度胸に手を当ててじっくり考えてみたほうがいいかもしれませんw
またRPGゲームとしての完成度も高く、純粋なJRPGの良作をお探しの方にもおすすめです。オープンワールドほどの自由度はないものの、気ままにフィールドを探索しつつ高品質なストーリーを楽しめるのは嬉しいポイントでした。
筆者によるレビュー
ここからは実際に本編クリアまでプレイした筆者による「モンスターハンターストーリーズ2」のレビューをお届けします。
個人的なスコア
ストーリー・世界観 | |
グラフィック | |
操作性 | |
戦闘 | |
やりこみ要素 | |
総合点 |
JRPGとしてのクオリティは非常に高かったと思います。ストーリーや世界観については文句なしに面白かったです。一方で、ほんとに細かい所ですが気になった点もちらほら。
という事でここからは良かった点、イマイチな点について細かく掘り下げていきます。
良かったところ
まずは本作の良かったところについてです。
奥深い育成要素
本記事内でも何度か触れていますが、本作の育成要素は中々に奥深いものでした。優秀な遺伝子を持ったモンスターの卵を探し歩き、厳選し、自分好みのモンスターへと育成することが可能です。
また本作では「伝承の儀」と呼ばれるシステムにより、モンスターが持つ固有の遺伝子を、別のモンスターへと受け継がせることが可能です。ドラクエモンスターズで言う所の配合みたいなものですね。
このシステムにより、優秀な遺伝子たちを色んなモンスターから寄せ集め、最強のミュータントモンスターを作り上げることが可能です。
優秀な遺伝子を持ったモンスターの卵のゲット率はそれなりに渋く、その上属性やらなんやらと、こだわり出したらキリがありません。恐らくこのゲームを遊ぶ上で「欲しい遺伝子を持ったモンスターを探して巣から卵を盗みまくる」時間が最も長くなるでしょう。
言い方よ
要約すると、時間を忘れて熱中できるほどに本作の育成システムは奥が深いなと感じた次第であります。
ストーリーや世界観の丁寧な描写
ストーリーや世界観の描写が非常に丁寧で分かりやすかった点もとても好印象でした。
これまでのモンハンシリーズではハンターが主役でしたが、ストーリーズの世界ではライダーが主役です。ライダーと絆を結んだモンスターはオトモンと呼ばれ、ただ単に使役するだけではなく「友達」のように大事にされていることが物語序盤から伝わってきます。
一方で、ハンターにとってみれば、いくらオトモンと言えども狩るべきモンスターですから、ハンターとライダーとの間には若干の緊張感が。そういった作中の世界観を、説明的になりすぎないようスッと描いてくれる、非常によくできたゲームだと思いました。
シリーズ初プレイの方や、小中学生のお子様でも全く問題なく楽しめると思います。
とっつきやすい戦闘システム
本作の戦闘はターン制のコマンドバトルが採用されています。各キャラのコマンドやスキルにはそれぞれ
- パワー
- テクニック
- スピード
いずれかの属性が割り当てられています。これらの属性はそれぞれ3すくみの関係性になっていて、要するにジャンケンシステムです。
敵はスピード技を打ってくるのか、それともテクニック技を打ってくるのか。相手の行動を予測して、ジャンケンに負けないようにコマンドを選択するという、取っつきやすい戦闘システムになっています。
またモンハン独自の要素として、「肉質」や「属性」なども存在するため、相手に合わせて使用する武器や戦闘に出すモンスターを考える戦略性も兼ね備えています。
単純で分かりやすく、戦略性もある、バランスの取れた戦闘システムでした。
便利なテンポアップ要素
本作の戦闘は一戦一戦が長くなりがちです。その代わりに、様々なテンポアップ要素が搭載されています。
まず一つ目が一掃システム。これは、いわゆるザコ敵とエンカウントした際、ボタン一つで戦闘を終了させることができるシステムです。ただ逃げるだけではなく、その名の通り敵を一掃してくれるため、素材や経験値を獲得することが可能です。
ちなみに「逃げる」コマンドが100%成功する所もめっちゃ好き
二つ目が倍速戦闘機能です。これはその名の通り、戦闘のモーションやアニメーションのスピードを最大で3倍まで上げることができるシステムです。この機能が無ければ、このゲームの評価は地に落ちていたでしょう。それほどまでに本作の戦闘は一戦一戦が長いのです。
ユーザーがストレスを感じるであろうポイントをしっかり先回りでつぶしてくれているのは、非常にありがたいですよね。テストプレイを丁寧に行ったんだろうなぁ、なんて勝手に妄想して、勝手に好感を抱いた筆者なのでした。
豊富なやりこみ要素
本作はストーリークリア後にも、中々なボリュームのエンドコンテンツが用意されています。むしろストーリーをクリアするだけなら、そこまで育成や厳選に時間をかけなくても大丈夫ですので、ある意味ストーリークリア後が本番とも言えるでしょう。
ポケモンみたいなもんやな
また、ゲーム発売後も様々な無料アップデートが用意されており、追加モンスターが随時配信されています。これはモンハンワールドと同じ仕組みですね。
ストーリーをクリアするだけなら、およそ30~40時間程度でクリアできると思いますが、その後も熱意さえあれば100時間は軽く遊べてしまう事でしょう。
販売価格から考えても、非常にコスパの良いタイトルだと思いました。
イマイチなところ
さて、ここまでは本作の良い点について紹介してきましたが、ここからは少し気になった点についても紹介していきたいと思います。
グラフィックの物足りなさ
本作はニンテンドースイッチ用ソフトですので、仕方ないっちゃ仕方ないのですが、やはりグラフィックの質は少し物足りなく感じました。
全体的にポップで可愛らしい世界観なので、そこまで気にならないとは思います。が、しかし、筆者のようにPCゲームを主にプレイしているゲーマーにとっては少し物足りないかも…という程度の話です(笑)
スイッチソフトのPC移植版って、どんなに高性能なゲーミングPCを使用しても、テクスチャ品質の限界がスイッチ水準なので少しむなしく感じてしまいます。正直この点に関しては贅沢病の一種だと思って読み飛ばしていただければと思いますw
哀れな男だよ
主人公が空気
本作の主人公はJRPGにありがちな一言も喋らない系。丹精込めてキャラクリした主人公ですが、一言も喋らないので終始作中では空気でした。あまり主人公に感情移入はできないかもしれません。
その間を埋めるように、ナビルーというキャラが賑やかしを担当してくれています。おかげでストーリー中も雰囲気はいい感じなのですが、主人公の存在感が薄いのは少し残念に感じました。
一言も喋らない系主人公、そろそろ潮時に感じるのは私だけでしょうか。サイバーパンク2077の主人公なんかは、キャラクリ可能なオリジナルキャラにもかかわらずガンガン喋ってくれるのでとても好きでした。
主人公のセリフ男女2パターン収録するのは大変ですよね、失礼しました。
フィールドアクション多すぎ
本作には、各オトモンにそれぞれ「フィールドアクション」が割り振られています。例えばロアルドロスだったら水の中を泳げたり、バサルモスだったら土の中を移動できたり、といった感じです。
このフィールドアクションの種類が非常に多く、ちょっと面倒だなと感じました。一度に連れて行けるオトモンの数には制限があるのに、ひとつのダンジョンに用意されているフィールドアクションの数には制限がありません。そもそも、どのダンジョンにどのフィールドアクションが設置されていのるかは完全に博打です。
「あ~ロアルドロス置いてきちゃったよ~」
と言った感じで、宝箱があるのに取れないみたいなケースが何度もありました。あらゆるモンスターに価値を持たせたいという、平和的な思いから生まれたギミックなんだろうなーとは思いつつ、正直ちょっと面倒な仕様だなとも感じてしまいました。
単調な戦闘
よかった点として「戦闘システムの取っつきやすさ」を挙げましたが、こちらは裏を返せば「単調で予定調和的な戦闘」であるとも感じました。
このモンスターはスピード攻撃を仕掛けてくる、怒ったらパワー攻撃に代わる、という決まりきったルールを覚えてしまえば、後はジャンケンに勝てるようコマンドを選択するだけ。
もちろん、ヘイト管理や味方の行動をどう管理するのか?といった部分に依然戦略性は存在します。しかしながら、もう少しランダム性や駆け引きのある戦闘システムだったら、本格的な難易度を求めるゲーマーも納得のいく内容だったかなと思います。
少し低年齢の方向けに調整されている印象でした
代り映えのないダンジョン
本作のダンジョンは、ストーリー上で立ち寄る固有のダンジョンを除き、ほとんどが使いまわしマップです。ランダム生成のモンスターの巣ならもちろん、フィールドに常設されている「古代の巣」と呼ばれるダンジョンも例外ではありません。
マップの使いまわし自体にそこまでの文句はありませんが、とにかく本作のダンジョンは無駄に広いものが多いため、使いまわしによる代り映えの無さが悪目立ちしている印象です。見た事ある景色を何度も何度も「新ダンジョン」の体で探索するのは正直ちょっと面倒でした。
更に、先ほどの「フィールドアクション多すぎ問題」も相まって、宝箱をコンプしようと思ったら拠点とダンジョンとを何度も行ったり来たりしなければいけません。
「探索が退屈」というのは、個人的にはちょっと残念なポイントでした。
古代の巣を探索中に何回か眠くなりました
まとめ:超正統派の王道JRPG
色々好き勝手に申し上げましたが、一言でまとめると「とてもよくできたJRPG」という感じです。
王道育成JRPGとしての完成度はかなり高かったと思いますので、そういったゲームをお探しの方にはドンピシャのゲームだと思います。一方で、クセのあるゲームがお好きな方、リアリティ重視の洋ゲーマーの方にはおすすめできません。
ポケモンやドラクエが好きな方には特におすすめ!
最後まで読んでくださりありがとうございました。この記事が皆様のゲームライフを豊かにする一助になれば幸いです。このほかにもゲームに関する情報を色々と発信しておりますので、チェックしていただけたらとても嬉しいです!
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